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ワシントン大学セントルイス校 2001年2月28日掲示

 

親が直感的に使う単独語が赤ちゃんの言葉の習得の手助けとなるかも知れない

かのエイヴォンの歌人シェイクスピアが言ったように、簡潔は機知の神髄と言えるのかも知れません。ワシントン大学セントルイス校のコンピューター科学者によると、簡潔はまた子供への話し方の本質でもあるようです。そしてそれが最初の言葉を覚えるのに役立っているかも知れません。

ワシントン大学セントルイス校のコンピューター科学助教授であるマイケル・ブレント博士は、生後15ヶ月までの子供が習得する言葉のほとんどは、母親が発する単独語であることを発見しました。幼い子供にとっては「子猫」や「赤い」、「おいで」などの言葉を単独で聞く方が、長い文の中に埋もれている状態で聞くよりもたやすく習得できるのかも知れません。

ブレント博士の発見は、子供は長い音声を単語にセグメント化することによって理解しているとする最近の言語習得理論に異議を唱えるものです。セグメント習得理論は近年、子供が長い文をセグメント化できることを多くの他の研究所が示すようになったために登場したものです。

しかし、母親と幼児の8組の親子の会話を分析した結果、母親の発した言葉の9パーセントは単独語であることを、ブレント博士と共同研究者であるニュージャージー州プリンストンのNEC研究所のジェフリー・シスキンド博士は発見しました。母親の言葉には名詞と動詞だけでなく、形容詞と副詞も含まれていました。このことは、研究論文が否定しているにも関わらず、幼児が単独語から言葉を習得する機会が充分にあることを裏付けています。

さらに、母親がある単語を単独に使う頻度が、後年子供がその単語を習得するかどうかを予測する目安になっていることも発見しました。それとは対照的に、単独語としてだけでなく発話全体の中で使う頻度は、子供の習得の目安とはなりませんでした。

ブレント博士はこの研究結果を2001年2月19日、サンフランシスコで行われた米国科学振興協会の年次総会で発表しました。

この研究と、言語習得についての他の研究についての記者会見が2001年2月19日、午前11時から日航ホテル第二大ホールで開かれます。「子供が言葉を習得するために用いる道具とは」と題するシンポジウムは、ヒルトンホテルの第二ホールで午後4時半から6時まで開かれます。

ブレント博士と研究者たちは、子供が生後9ヶ月から15ヶ月の間、一家庭につき14回訪問し、母親と子供の会話を録音しました。一回の訪問につき親子の自然発生的な会話は1時間から2時間に及び、その間研究者は席を外し、全体として200時間もの会話を録音しました。

研究者はその録音テープを研究所に持ち帰り、コンピューターに転送して会話を書き起こし、そのために自ら開発したソフトウェアを使って分析しました。単語の発話の長さを20分の1秒以内と定めることで、単独語をそれに近い他の発音と正確に区別することができるようになりました。

「私たちはこの膨大な録音テープと記録のデータベースを保有しており、これらを公的なデータ保管所に保管して他の研究者も共有できるようにするつもりです。」と、ブレント博士は言いました。

子供がどの言葉を習得したかを確定するために、ブレント博士は研究期間中母親に子供がどの言葉を知っているか定期的に調査をしました。その調査の結果は、録音時に子供が話した言葉から確認しました。

「私たちの発見で考えさせられるのは、研究室の実験では子供は連続発音をセグメント化することで単語を認識することができるということでした。」と、ブレント博士は言いました。「そのため、子供は極めて初期の段階から音声セグメンテーションによって語彙を養うのだと推測していたのです。しかし、子供は音声をセグメント化できるが、より幼い子供は単独でない状態で話された言葉を習得するのは比較的まれであるということを私たちは発見したのです。つまり、『ちょっと待てよ、子供は確かにセグメント化することができる、でもそれは本当に初期の言葉の習得に使われているのか?』ということです。私たちの考えでは、音声セグメンテーションは後に子供がもっと迅速に言葉を習得していく段階になって重要になるのであって、ゆっくり習得している初期の段階ではあまり重要ではないのではないかということです。」

ブレント博士の現在の研究は、彼が1990年代後期に開発した音声セグメンテーションのコンピューター上の分析モデルが動機となっています。そのモデルはいくつかのセグメンテーションのパターンを予測しています。例えば、「ボール」という言葉を単独で聞けば、「赤いボール」というフレーズの中から「赤い」という言葉を分けることが容易になるはずです。ブレント博士と共同研究者はこの理論を大人を対象に検証し、その結果は理論を裏付けるものでした。しかし、生後12ヶ月の子供を対象にした時、予測されたセグメンテーションパターンはほとんど得られませんでした。これはつまり、生後12ヶ月の子供は大人とは異なるセグメンテーションプロセスを経て言葉を習得するのか、それとも、そもそも彼らはセグメンテーションを使っているのだろうか、とブレント博士は考えました。

「そのとき、子供は流暢な言葉の中から繰り返し出てくる言葉を拾い、その音を覚えられることに気がつきました。でも、彼らが実際に最初の言葉の意味をそのような方法で覚えているのかはわかりませんでした。」と、ブレント博士は言いました。

現在の研究によって、子供が習得する最初の言葉は母親が単独の状態で話す言葉であることが多いということ、そしてその言葉が初期段階の語彙の基盤を作っていることを示しています。母親の単独語の使用が子供の言葉の習得に役立っているという考えは、私たちの本能的な子供への話し方がいかに彼らの言葉の習得に役立っているかというブレント博士の理論の主要な部分を占めています。

「短い言葉は文の構造をはっきり表します。」と、彼は言います。「例えば、『あなたの言っている有名な科学者を私は知っています』というような長い文の場合、子供にとって‘あなたの言っている’というフレーズがどこにかかるのか、理解しにくいかも知れません。‘科学者’を修飾するのか、それともそれは話し手の知っていることなのか。それと比べて『私はエルモを知っています』のような短い文の場合、‘エルモ’が‘知っています’の直接目的語であることは明らかです。」ブレント博士は、言葉の文法的役割を習得するためには、短い文の方がコンピューターシミュレーションに適していることを発見しました。

 

     

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